生徒の作品解釈など

ここに掲載するものは,「10∞のボール」の観賞後に書いた生徒の解釈及び感想文です。
生徒の表現そのままに書いてありますが,解釈文は長いので,一部抜粋したものです。


 陸上の冒険と海の上の様々な冒険を「10∞のボール」に、なぜ作者がさせたのか。
それは、もっとみんなに色々な体験をして欲しい、という思いが込められているの
ではないかと思いました。だから、このボールに触れた私も、もっといろいろなこ
とに挑戦して、色々な人と交流して生きていきたいと思います。
  (W.A 女子)


 ボールは人間で、へこみは短所だと思いました。だからきれいな丸いボールを作って
しまうと完璧な人間になってしまうから、どのボールにもへこみがあるのだと思いました。

いろいろ意見を出してもらうために、真実を言わなかったのかも知れないと、思いました。
                            
     (B.S 女子)


 私は、地球を大切にしよう、と言いたかったのだと思います。
へこんでいるのは地球が危ないという信号だと思いました。
しかし想像できないことがあります。なぜ、海に浮かべたりしたのか・・・。
私はこのことを1日考えました。でも全然想像できませんでした。
生きていたら、聞いてみたかったです。
  (Y.H 女子)


 このボールを見たとき、なんだか不思議な気分になった。さわっていると、
なんだかいやされるような気分になるのです。ボールにへこみしかないのは、
どんな生き物もみんな欠点だらけだと言いたかったのかな、と思った。
 
(T.Y 男子)


 「借りてきました」と先生が言ったので正直驚きました。なんとなく芸術家とは
手も届かないような人、天才か何か関係すらないような人だと思っていたので、
こんなお近づきになっていいのか?というのが本音でした。
       (M.T 男子)


 ボールを見ただけで、感想が持ててとてもいい勉強になりました。(T.Y 女子)


 私たちは、冒険活動センターに行って、「森のピース」を作ります。作っているとき、
作った人の気持ちが分かるといいなと思います。いいえ、絶対に知りたいです。

                                   (O.A 女子)


 海のピースを一度見てみたいです。今はどうしているのだろう。沈んでしまったのだろうか、
浮いているのだろうか?陸と海のピースが話しているのならば、陸のピースにささやいて聞
いてみたいと思いました。木を自由自在に使う丑久保さんと、一度でいいからお話をした
かったです。
                                                   (T.M 女子)


 このボールのへこみは「人の成長」についてなのかな、と思います。
「へこみ」が浅いと幼くて、深いと大人になりつつあるのかな、と思いました。
 (K.M 女子)


 ボールは人の心で、一番へこんでいるのは悪いことをしたときや傷ついたときの心だと
感じました。一番へこんでないのは、楽しいときやうれしいときのこころだと感じました。
                                       (S.K 女子)


 海にあるボールとこのボールは「たとえ遠くにいても心と心で通じるのさ。」という意味
ではないかと考えました。このボールで私はいろんな想像ができて、考える力がついたよ
うな気がします。「10∞のボール」に感謝です!
            (I.A 女子)


 どうして出っ張りがないのかというと、だれ一人完璧な人がいないからです。
勉強ができて運動ができて性格もいい人はいないだろうし、完璧だとしても、
最高(球の状態)からもっと伸びることは不可能だと思ったからです。
  (K.Y 女子)


 最初はイスかとも考えましたが、どうやらそうでもないらしく、じっとながめたり
触ったりしていると、時々スッと冷たい風のようなものが通り過ぎてゆくような感じが
したので、もしかしたら、これは「人の魂」なのではないかと思いました。
・・・いろんな人の考えをより深めさせてくれるこの作品は、どこからかわき出てくる
不思議な能力を持っていそうな感じがしました。
           (E.T 女子)


 変な形と思っていたけど、よく見ていると、だんだん人間に似ているなぁと思いました。
へこんでいるのは弱点。私はテレビで見たところによると「完璧な人間はいない」と
思っているので、人間に見えたのだと思います。
              (S.M 女子)


 海のピースを大人になったら探しに行きたいです。陸のボールは手で触ることにより、
絵画よりも100倍も想像力をかきたてて鑑賞することができるのです。
 (S.E 女子)


 私はこの作品に出会えてとてもよかったと思います。この作品は私の記憶の中にずっと
残っていると思います。                       
(K.A 女子)


 きっとあのボールは「友情」表していると思いました。一つ一つへこんでいても
(悲しんでいても)仲間がいるんだ、ということを表したかったんだと思います。
触ってみてほっとしたのは、10∞のボールの友情を感じたからなのでしょうか。
                              
    (I.T 男子)


 「10∞のボール」という題名は「人の心は無限に大きくなれる。欲望なんかに負けず
に生きる。」ということだと考えました。僕はこのボールから、心を穏やかにさせるよ
うな不思議なエネルギーを感じました。海に流したのも、この地球全体を穏やかにさせ
ようとしたのかも知れません。
                    (Y.K 男子)


 ぼくは、最初にこの作品を写真で見たときに地球や宇宙の星などを想像していました。
しかし、この作品を実際に見て、手で触れたりしていると、作者の丑久保健一さんのこの
作品に対する情熱や愛情を、ぬくもりを感じたりもします。
 なぜそこまでしてこの作品を仕上げたのかな、とも思うけど、陸と海のピースの話を聞
いたときに、この10∞のボールの海のピースは、太平洋をぐるぐると周り、僕が実際に
触れた陸のピースと共鳴して、やがて世界中をも共鳴し、いつか世界が一つになることを
願って作ったのではないかな、と思いました。
でも、人間一人一人考えることは違うので、丑久保さんが何を思っていたのかは分かりません。
10∞のボールは、神秘的で、宇宙の果てまでを一つにするような力を感じます。
僕はこの作品に出会えて本当によかったと思います。これからも時々、この作品のことを
思い出しながら、丑久保さんが本当は何をこの作品で伝えたかったのか、考えたいと思います。
                                    (O.H 男子)